若くて可憐な印象の強かった池脇千鶴さんが、今回の朝ドラ『ばけばけ』で演じるのは、ヒロイン・松野トキの母・フミ役。
明治初期の松江藩を舞台にした設定で、役柄としては中年から老婆に至るまでの時間を生き抜いた女性です。
そんな彼女に「特殊メイクしているの?」という疑問が視聴者から上がっています。実際にはどこまで“変身”しているのか、公式なメイク情報と共に役作りの手法を丁寧に追ってみましょう。
役をどう演じる?池脇千鶴さんの役作り
池脇さん(2025年時点で43歳)ながら、役では母親・の佇まいを見事に演じています。
記事では「顔つきも体型も変化しており、『誰かわからない』レベル」と報じられています。 (週刊女性PRIME)
特にSNS上では、「あの手が泣ける」「おっかさんの手で涙出た」と、テレビ画面上の“手”や“腕の厚み”が話題になりました。 (文春オンライン)
このように、手や体つき・表情といった“細部”まで役柄に寄せることで、「母親/中年女性/」という年齢を重ねた女性像を自然に演じていることが評価されています。
特殊メイク?それともナチュラルな演出?
視聴者が気になる「特殊メイクの有無」。調査したところ、現時点で「極端な変身メイク(プロテーゼ貼付・シリコン老化肌加工など)」を公式に行ったという明確な情報は確認できません。
ただし、多くの記事では「顔かたちや体型まで変化させている」という表現があり、役作りはかなり徹底しているようです。 (週刊女性PRIME)
例えば、頬あたりのふくよかさ・手や腕の厚み・首筋の肌質・衣装から醸し出される年代感などが指摘されており、メイク・衣装・演出の総合力で年齢を演出していると考えられます。
つまり「特殊メイクだけで年齢を演じている」のではなく、「体型・所作・衣装・メイク・照明」の五感合成で“中年”を作り上げる手法と見るのが自然です。
設定を支える役作りの工夫
役作りには以下のような工夫が見られます。
- 体型・筋肉・肉付き:池脇さん自身が「年を重ねるのが楽しみ」と語っており、女性らしい肉付き・手の厚み・腕の佇まいなどを役に取り入れています。 (文春オンライン)
- メイク・衣装・照明:肌質を暗めに見せるメイク、顔の輪郭を少しふくよかに見せる照明・カメラワーク、服のシワ感や布の重みなどが「年代」を演出。記事では「顔つきだけでなく生活感が滲む」と専門家が評価しています。 (NEWSポストセブン)
- 所作・所作のテンポ:若い女性ならではの“軽やかさ”ではなく、ゆっくりとした動き・落ち着いた佇まい。これにより“中年の母”としての説得力が増しています。制作現場では「生活者として自然であること」がキーワードとされていたようです。 (週刊女性PRIME)
これらを総合した結果、池脇さんは「特殊メイク=貼付パーツ」で変身したわけではないものの、視聴者に「別人レベルの変化」として受け取られるまでに役を作り込んでいます。
特殊メイクなしでも“老婆感”を出すための演出技法
ここでは、映像作品で「年齢を重ねた女性」を演じる際に一般的に使われる演出技法を、池脇さんの事例も交えて整理します。
- 体重を増やす・筋肉量を変える:ふくよかな手足、腹回りの丸みなどが“年相応”の印象を与えます。池脇さんもそのような変化を見せています。 (女子SPA!)
- メイクで肌質・表情筋を変える:ファンデーションを厚めにし、影をつけて“たるみ”“むくみ”を演出。アイラインやハイライトで“目元の重み”も表現。
- 衣装/小道具で時代感や暮らしぶりを示す:明治初期の松江藩という背景を考えた衣装選びや、家事をする手のシーン、床座り・畳敷き・長年使った道具類など、描写が年齢を物語ります。
- 照明・カメラワークで年齢を感じさせる:柔らかい光・影のある構図・横顔の皺・手の甲の陰など、撮影技術でも“年齢感”を演出可能です。
このような手法を複合的に用することで、特殊メイクなしでも“老婆/中年女性”の説得力を獲得でき、多くの視聴者が「誰かと思った」という反応を示すところに、池脇さんの演技力が光ります。
まとめ
池脇千鶴さんが『ばけばけ』で演じる母・フミ役は、明治時代から成長を重ねた中年像。
視聴者が驚くほどの変貌ぶりを見せていますが、公式に大きな特殊メイク(プロテーゼ・シリコン貼付など)を用いたという情報は確認されていません。
むしろ、「体型・手足・肌質・所作・衣装・照明・演技」という複数の要素を緻密に組み合わせて“年齢を演じる”という非常に完成度の高い役作りがなされています。
清純派としての“可愛い少女”の印象から、日常を生きる“母”のリアリティへ。池脇さんが演じることで、視聴者はただ“演技を見る”のでなく“日常の中で存在する女性”を感じ取ることができるのです。
特殊メイクに頼らず、演技と演出で“年齢を作る”というアプローチ。これこそ池脇千鶴さんが“役者”として選択した道なのかもしれません。
役柄のために作られた“年齢の厚さ”を、ぜひ画面上でじっくり味わってみてください。

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